イタドリ/すかんぽ

今朝のNHKラジオ深夜便「きょうの花言葉」はイタドリだった。花言葉は「回復」だそう。イタドリは東南アジアが原産で日本ではこの北海道でもところを選ばず自生している。渓流釣りのすきなぼくがいく山奥にも、自宅から徒歩5分の豊平河川敷にも、冬を除いてびっしり生い茂っている。
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▲イタドリの白い花。豊平河川敷の野の花が少なくなる晩秋、枯れかけた大きな葉ごと摘んできて活けることにしている
多年草だから、豊平河川敷では、年2回、河川管理者が刈り取っても、ぼくの背丈(1.72m)以上に伸びる。秋は花の季節。大きな楕円の間に小さい白い花をいっぱいつけて、なかなか美しい。

ぼくはイタドリの花が好きだ。秋が深まるとイタドリの大きな葉も枯れてくるが、その分、生き生きと咲く白い花とのコントラストがくっきり。時の流れを感じさせるから心に沁みる。

 それで、野の花の勢いが衰える晩秋(北海道では10月)、ぼくはイタドリを枯れかけた葉ごと摘んできて、家人に活けてもらう。

深夜便によると、イタドリは漢字で「虎杖」とも「疼取」とも書くそう。イタドリの茎に赤い斑(まだら)がたくさん出るのをトラの斑に見立てた。その葉は出血した時の止血効果があり、疼痛を取ってくれる。疼取の由来だという。

イタドリは日本全国でいろんな呼び名があるそう。ぼくが生まれ育った大阪では「すかんぽ」といった。茎の直径が10円玉大になり、ポキンと折れる擬態語かもしれない。両の歯でしごくと甘酸っぱい液が広がったのを覚えている。大阪の小学校時代に「すかんぽ」の歌を学校で習った記憶がある。いまYoutubeで見てみると「すかんぽの咲くころ」。習った歌詞は「ぼくら小学一年生」だったのにYoutubeでは「ぼくら小学尋常科」になっているから戦前に作られたうたなのだろう。

イタドリは北海道では秋の花だが、歌には「昼はほたるがねんねする」とあるから夏。日本レットーは南北に長いからなあ。

イタドリにまつわる話題をもう一つ。

新聞記者初任地だった稚内で取材したこと。ウニの養殖に、イタドリの葉を使う実験をたしか道立稚内水産試験場でやり始めたという記事を書いた。1972~3年のこと。水槽に浅く水を張り、ひたひたにしたイタドリの緑の葉っぱの上にエゾムラサキウニが乗っかって食っている写真を撮って原稿を書いた。もちろん地方版に掲載された。あの実験は成功したのだろうか、後日談を取材した記憶はない。だめだねえ。

<付記>10月5日は末弟 雅憲(まさのり)の誕生日。1955(昭和30)年だから、生きていれば69歳か。1961年6月、不慮の死。




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